めりぃ、くりすます
秋葉竹




こどものころ
おとぉさんがさんたくろーすだって
しらなかった

けれどそれは
あまりかんけいなくてね
おとぉさんとおかぁさんは
けんたっきーふらいどちきんのばんごはんと
たんじょうびよりおっきなけーきと
わたしがほしいくりすますぷれぜんとを
ちゃんとよういしてくれていたから

あのすうねんのふゆは
いまからふりかえっても
おそらくいちばんぴかぴかなよるだった

がっこうで
さんたくろーすなんていないってしらされても
だからあまりおおきなおどろきはなかったかも
ただおとぉさんが
さんたくろーすのやくを
やってくれていたことにかんしゃした

さんたくろーすがいなくても
わたしはひゃくばーせんとしあわせな
よるをすごせていたのだから



そんな黄金色の想い出が
いまのあたしを苦しめるのか

あたしには
感謝できる人などもういない

あんな時代はなかったんじゃないかと
ゆめだったんじゃないかと

あゝ、
てれびのなかにもまちゆくひとのなかにも

しあわせはそこらじゅにころがっていて
それをみんなてれながらあじわってる

じめんをころがりながら
のどをかきむしるあたしのあくは
なんだった?
よるあくむにねむれないあたしのつみは
なんだった?


そぉ、めりぃ、くりすます
めりぃ、めりぃ、くりすます


だまって
ひとのしあわせをながめています














自由詩 めりぃ、くりすます Copyright 秋葉竹 2021-12-16 08:03:28
notebook Home 戻る  過去 未来