記憶の粒 
ハァモニィベル

〈世界地図〉を熱心に観ていたあの猫はもうここに居ない

遅れていることを、怒っていたのか  祈っていることを、笑っていたのか

空を買いたいと、樹木たちが 雲に必死で持ちかけている

そんな秋が暖かく充満したら (うねりにも似た)

涙の音の  渇くような音符をたどって 

融けた記憶は (素直なほど)

滴りながら墜ちていく


自由詩  記憶の粒  Copyright ハァモニィベル 2021-11-09 22:59:47
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