気の弱い赤とんぼ
st

秋も次第に深まって
桜の紅葉が美しさを増してきた

少し離れた場所にある
桜の木には

優しい陽の光が満ちあふれ

ひときわ
その美しさを際立たせている

さっそく
望遠レンズを手にとって

何枚か撮影していると
何かが視界を横切った

カメラから目をはなし
まわりを見ると

ベランダの手すりに

二匹の赤とんぼが
四五十センチほど離れて

日光浴を楽しむように
羽を休めている

おや
赤とんぼの群れがいるのかな

と思い
周囲を見渡してみても
この二匹の赤とんぼだけ

もしかして
とまずは接写して

後でじっくりと確認すると
やっぱりオスとメスだった


メスを求めているのに



四五十センチも離れてとまるとは



なんて気の弱いナツアカネだろうと



思わず笑いがこみ上げてきた








*****プロフィールに写真があります******













自由詩 気の弱い赤とんぼ Copyright st 2021-11-06 03:36:11
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