詩のとき
はるな



詩のとき 心は旅をする
命からとおくはなれて
あるものの全てにこまかくなってよりそう

愛などは 手に負えなくて
途方にくれた
炎はもう あかるすぎて
いられなかった
はじめて 旅をした
詩のとき
心は 命からはなれて
どこまでも とおくへ行った

とるに足らない実在のものものの愛おしさを思うとき、
あまりにも近くて 触れられない心臓、
苦しく波打ち、切れるような寒さに、
ふるえたり、立ち尽くす時、
わたしたちには 必要だった
命から どこまでも とおくはなれて
旅をすること、
旅をして、
そして、戻ってくること



自由詩 詩のとき Copyright はるな 2021-10-28 18:12:42
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