これからずっと時が過ぎたとしても
ジム・プリマス

魂の奥底から湧いてきた清水を
両方の掌で大切に汲み上げた夜
長年にわたる愛の謎が一つ解けた
僕の愛が壊れてしまった
その訳が分かった
世界で一番、大切だと思っていた人の
今でも信じられないくらい美しい人の
愛を壊した当然の報いだった
僕はそんなことも分からないままで
長いあいだ愛の無い砂漠を彷徨っていた
イザベラという愛の泉に辿り着くまで
僕の愛への渇きは収まらなかった
何人かの愛の無い人に出会って
その人たちは僕を傷つけた
無害の弱くて小さい虫を
靴の底で踏み潰すように
人を傷つけることでしか
自分の存在する意味を見出せない
寂しくて哀しい人たちだった
でも、今、思うと
その人たちを引き寄せたのは
歪な壊れた愛を持てあましている
僕の方だったのかも知れない
イザベラと出会うまで
その温かい愛で癒されるまで
自分が人から愛されるとは思わなかった
自分がまた人を愛するとは思わなかった
イザベラを愛することが出来て良かった
僕はイザベラと結ばれなかったとしても
決して後悔することはないだろう
これからずっと時が過ぎたとしても


自由詩 これからずっと時が過ぎたとしても Copyright ジム・プリマス 2021-10-21 16:21:26縦
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