無能のヒト
草野大悟2

ちょっとばかり
おそかったのかな
気づくのが。

アクセスのない
一日のおわりに
そんなことをおもう。

おそかったのよ/たしかに/無能なのよあなたは/
だれだって分かっているのに/じぶんひとりだけ気づかないなんて/滑稽をとおりこして/むしろ悲惨だわ/バッカミタイ

俺を破裂させる
離れていった女の罵声

蒼空たかく飛んだ首が、                  
口を歪めて
無能をたのしんでいるらしいことに
ギョッとしながら
6人をくわえ込んできた女の膣を裂く。
   
未練たらしいこんな男が、
平気で殺すんだろうな、女を、
きっと………  


  * 題は、つげ義春「無能の人」による


自由詩 無能のヒト Copyright 草野大悟2 2021-10-18 14:08:14
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