父のこと
津煙保存



 仕事を終え
 帰宅した父は  
 酒とテレビと新聞で
 眠りました

 引っ越しの際には 
 3階への踊り場から
 下りていきました
  
 車の運転席に戻ると
 静かに走り去りました

 十数年前に父は
 脳溢血を起こし倒れました

 冬には家々の屋根に
 雪が降りました

 目覚めると部屋の窓から
 ずっと見ていました


帽子が流れています
数えきれないほど流れて

いつか
お話ができればと



  
       *タイトル及び本文の一部を変更、修整しました。





自由詩 父のこと Copyright 津煙保存 2021-10-08 20:54:34縦
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