Kの葬列
虹村 凌



さようならが別れの言葉じゃないとしたら
僕らは何て言えばよかったんだろう

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あなたとキスした日の夜の空に

綺麗な星達が浮かび上がり

僕はずっとあなたの事だけを考えていた


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俺達は二度と
心の底から笑いあう事も無いだろう
誰かが何かを手に入れる度に
少しづつ崩れていって

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もう一度言うよ

今はあなたの事は大嫌いだ

けれど

今僕が生きているのはあなたのお陰なんです

感謝しているよ

ありがとう

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お前は泣きながら
自分がいていいものなのかと繰り返し聞いたよな
そう 泣きながら繰り返し聞いていたんだよ
でも もう俺達は

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俺達に残された時間は殆ど無かった
誰もそれを知らなかったし
誰もそれを気付いていなかった
俺達には思い出が少なすぎたのかも知れない
諦めるには少なすぎたんだ
二度と戻れないあの夏だけの
遠い遠い俺達だけの日よ

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死なないでおくれ
もう辛抱出来ない
国境を越えた先で一体何が出来る?
ナケナシのチャンスを試す意外に
俺達に一体何が出来る?
死なないでおくれ
虚像を作り上げる程器用じゃない

俺達はあいつを切り捨てたつもりで
実際に切り捨てられたのは俺達だった
巻き込んじまったな
すまん

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もしもお前の為に長い列が組まれるのなら
お前の為に俺は海へ行こう




自由詩 Kの葬列 Copyright 虹村 凌 2005-04-27 04:01:19縦
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