あいわず
AB(なかほど)

 

さてもさても
今宵も意味のないものを書いた
かと自問してみると
どこかからそんなことはないよと
聞こえてくる
耳鳴りだろうかそうかそうか
捨て置け捨て置け
思いながらも




あすへのむかしがたりの
りくのさかなと
をりふしのほそみちゆく
りくのくじらと
はんにんまえのそらへそら
べんとうばこより
りくのくらげのゆれいでて
いざなぎいざなみいますやしろ
まかりこしたるゆめのすべもなき
そよかぜにすべらえて
かえりこぬひととひとよの
りくのうみほたるとおなりか



ことのはのことはり
とおななつのことはり
のぎへんのことはり
はんにんまえのことはり

ことだまのことはり
とおつちかつのことはり
はるまだとおくのことはり
りんねのことはり



かのひとがああいえば
かのひともこういう
りんねてんしょう
むげんのみずかけ
すんでのところでいっぷくつけば
びゝたることよと

うんじゅがなさきどぅたぬまりる
(御主が情どぅ頼まりる)



あかねさす
いちのみや
あかねさす
むこうぎし

あすへあすへと
いいながら
わたしのいえも
ずいぶんととおく




さてもさてものつづきのつづきのない続き
ああ、明日の糧は
こんなものではない
そんなこと
君に言われるまでもない

猫の目交差点から見上げる月


あいあむ
    あんど
        あいわず


さてもさても
つづきのつづきのない続き



 
   


自由詩 あいわず Copyright AB(なかほど) 2021-09-20 12:30:38
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