ジャンプ
ひだかたけし

青白く痩せた君から放たれていたもの
僕はいつも怯え痺れた
じぶんという核が剥き出されて
漆黒の宇宙に放擲されていくように
残された肉身が断崖絶壁を何処までも墜落していくように

途方もなく無限に、途方もなく無限に

君はいつもピンと張り詰め
雨が降ってずぶ濡れ
渦巻く存在の孤独を背負い
あの日あの晩ジャンプした

わたしは救われない
わたしから逃れられない*

剥き出された存在の核を
独りで背負い続けることの不可能

君はあの日あの晩ジャンプした

わたしは救われない
わたしから逃れられない



わたしは詩を書く
わたしはジャンプする








*ビリー・アイリッシュ『NDA』より



自由詩 ジャンプ Copyright ひだかたけし 2021-09-14 23:43:19
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