午睡
Lucy

周りのみんなが眠っているのに自分だけが目覚めている夢を見た
起こそうと呼んでも誰も返事をしてくれない

窓の外で陽射しだけが明るい
いびきが響くま昼間の午睡

眠っている大人たちの間に身を横たえて
目を閉じてみるしか術がなかった

もう一度目をあけた時
本当に目が覚めますようにと願いながら
両手の指で瞼をこじ開けた

真っ暗な中でか細く母を呼んでみる
おかあさん
はい と返事して母はすぐに電灯をつける
身体を起こし腕を伸ばし吊り下げられた電球の
ソケットを掴んでスイッチを捻る
明かりをつけるためにそんな動作が必要だった

まぶしい黄色い光が目を刺し
心の底からほっとする

どうしたの?おなか痛いの?
ううん痛くない
やな夢みたの?
うん
寝なさいね
はい

おとなしく目を閉じる
明かりが消える

疲れた眠りの果てからも
いちもくさんに戻ってきて
暗闇に
明かりをともしてくれる人と
そのための暗闇・・







自由詩 午睡 Copyright Lucy 2021-09-12 21:14:07
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