風に吹かれて

また一つ風が肌を冷やすようになり

心の動きがまた一つ柔らかくなる

ずっとこんな気持ちでいれたらと

日々の動きはそれを赦さぬだろうけど


優しくなりたいと叫んだあの頃

それを裏切る自分を嗜めるように

この風は穏やかに指を通り抜ける

まだやり直せると思わせてくれる


誰かを想うことの素晴らしさを

教えてくれた貴方を喪ったけれども

間違いばかり犯してしまった自分でも

迷いなく貴方を愛せたことを誇れる


この風はまたそんな気にさせてくれる


自由詩 風に吹かれて Copyright  2021-09-11 23:51:22
notebook Home