大阪王将
花形新次
最初の一行は
勢いで書き出す
何でもいい
目の前に夕食の餃子があるならこうだ
私には
餃子のように飛べない羽がある
見てくれだけの羽がある
しかも私の羽は
パリパリと音を立てない
湿ってふにゃふにゃの
役立たずだ
それでも昔は
飛べる気がした
飛べないまでも
パリッとしていた
それが今ではどうだ
不快で不要なだけの
代物になっちまった
余った翌日の餃子の羽だ
本当はもっと前から
気付いていた
ただ認めるのが怖かっただけなんだ
もう飛ぶことは出来ない
パリッともしない
それでも生き続けなければならない
そこにラー油がある限りは
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