夏至祭は終わった
帆場蔵人

抉り取られた枝、から
予告もなく傾いていく
網が からめとる とられない
誰かの手紙が捨てられて
落書きばかりにうんざり

ひさかたの果実にうつつをぬかす
転がる、ひかり、分散、なつのひ
夏至祭へと至るパレード、はらり

いつまで待てばいいのか?

雨降りの日には雨漏りに尋ねている
名前が欲しいのか。いらないから捨てた
手紙には宛名がなかったのだから

砕け散った跡だけ
忘れ去られていく
汚れた皿をあらう

ゆるやかに彫刻刀で
月を削り象っていく
ゆびでなぞるころには
あの空き地に角が満ちる
枝がしなり、羽撃いて

路上からまた誰かが消えている
しらないうちに誰か増えている
予告もなく、夜明けが顔を射る

スケジュールに生命が宿る。点を打つ
意図、がゆるやかに笑っていくうちに
行き過ぎたパレード、もう秋の夕暮れ

実り過ぎた過日が、落ちて砕けた


自由詩 夏至祭は終わった Copyright 帆場蔵人 2021-09-02 13:10:40
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