青空オルガン
そらの珊瑚

人がいなくなった庭は
草がぐんぐん伸びて
かつてその地に眠った心臓のありかを隠した
もう探し出せないし
探そうとする人もいない
よく見ればブルーベリーが細々と実り
小鳥が集う楽園になった

空が晴れわたるほどなぜか悲しい

夏の午の影はいよいよ濃く
何処かへつながる扉となる

朽ち果てようとしている
雨ざらしの箱型から
せめて安らかなメロディを


自由詩 青空オルガン Copyright そらの珊瑚 2021-08-06 13:17:18縦
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