さめたコーヒーのうた
梅昆布茶

無限につらなってゆく世界の果ての階段を
親しげな不条理とうでを組んできみがのぼってゆく

いつもおもうけれど
宇宙のなかの点にすぎないのに
点には面積がないのに
線にも幅がないのに
ぼくには命があるようだ

果てしなく応用だけをもとめられる大洋に
骨組のない粗末な双胴船を操り銀の魚を釣る

惑星の酒場には非番の衛星たちが足繁くたちより
彗星の種子やら燦めく詩篇のかけらなどを交換しあうのだ

かつて宇宙に浮遊していた現象の端くれが
訪れる夕まぐれにふと郷愁をおぼえるあてもなく
影のうすくなった実存におもいをはせては

ちょっとだけぬるいコーヒーを飲めると言うのは
すてきなことなのかもしれない


自由詩 さめたコーヒーのうた Copyright 梅昆布茶 2021-07-29 18:11:46
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