夏のレコード
イオン

昭和の時代
夏場にレコード盤が
熱で曲がることがあった
昭和の時代
音楽は生ものだった

令和の時代
音楽配信が充実し
うまい、早い、安いを実現
音楽は冷凍食品となり
再現性を競っている

レコード盤は
ビニール板の溝から音が鳴る
音楽の指紋をなぞって再生していく
その仕組みに何の疑問も持たなかった

手間いらずで高音質のほうがいい
わかっているのに
夏の夜にふと
レコード盤を思い出す


自由詩 夏のレコード Copyright イオン 2021-07-24 17:42:42
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