夜明け前
石田とわ




                                                                        

   ひとりでは
   立てないという
   ひとりでは 
   泣けないという
    
   なんとかなしい
   生き物だろう
    
   膝を抱えうずくまり
   ただ時が経つのを
   待っている
   ただひたすらに
   抱え込み
   待っている
   
   やがて
   かなしいほどに
   強い生き物が
   腕を伸ばし
   あくびする
   
   あたらしい一日の
   はじまりです
     
     

   


自由詩 夜明け前 Copyright 石田とわ 2021-07-16 04:02:35縦
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