夏は海に浸かりたい
ゆるこ

脳みそを溶かすような金麦のジュワっとした喉越しに
今日の海を溶かし、流し込む
夏の味だって、まだ梅雨真っ只中だけど
スイカの匂いと塩素のつーんと痺れる感触が瞬時に思い出される
夏、というワードは麻薬だ
このコロナ禍で頭のおかしくなった人々を相手に
頭がおかしくなりそうな日々を過ごすワタシにとっては
とんでもなく甘く愛おしい
そして鬱陶しくもあり電気代のことを考えてうつになる

金麦は500mlしかないので
2.3杯あおるだけでいとも容易く身体に吸収されてしまう

ふらついてみる
ふらつく歳でもないのに

多分誰かの海に飛び込みたいんだ
子供のように、泣きじゃくりたい

夏よ、さっさと全て焼き尽くしてしまえよ
一度洗い尽くして、そうしてまた産み出してくれよ

途方もない考えの中、ふらつきながら、ぶつかりながら
前へ進む、梅雨のある夜の話


自由詩 夏は海に浸かりたい Copyright ゆるこ 2021-06-23 21:22:11
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