だれにだって好もしいものはある、さあ
道草次郎

だれにだって好もしいものはある
それをつまんでちっちゃな卓に載せ
しげしげと眺めてみればいい
むこうだっておんなじことをするだろう

そのとき
好もしいものをえらぶとき
虚飾は無しだ
どんなにそれが意にそぐわなくても
それは
げんに好もしいのだから
ほんとうだ
ほんとうのものだ

だれにだってなにかはある
なにかとは
本性において正直で
それはある種の鏡なのだ
ほんとうのものは
どこかしらそういう要素をはらむ
みんな
知っているとおりだ

さあそれをつまもう
それから
卓をまずはさっぱりとさせるのだ
やれないことはない
だれにだって
好もしいものはあるだから


自由詩 だれにだって好もしいものはある、さあ Copyright 道草次郎 2021-06-10 01:22:50
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