一輪の花もない
秋葉竹



ひとり暮らしが長い
いつのまにか
ひとりの部屋でさえ
つく溜め息

気がつけば
カラフルが部屋から消えている

このまま立ち止まったまま
死ぬまで生きるのだろうと
よせばいいのに
人生を振り返る

細い田んぼのあぜ道を
歩きつづけてきた

ただの一本の道を


気づけば
なにもない部屋に
住んでいる

泣くかな

と思ったら

笑ってるじぶんがいた

人生ってそんなもんですよねぇ
って
じぶんでじぶんに言い聞かせる
一輪の花もない
エアコンだけはよく効く部屋で
 







自由詩 一輪の花もない Copyright 秋葉竹 2021-05-21 06:49:04
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