傾いた椅子
空丸

音がして起きた。初夏が騒がしい。気まぐれな時空でニューロンが絡み合っている。頭が重たい。ありのままの私自身などどこにもいない。舗装された道には足跡は残らない。

泣き笑いだと喜劇は言う。芸術の友達は常識なんですとあなたは言う。友達だから裏切れるんだと。無人島で独り食って寝て「無意味だ」と呟くぼくが好きだ。

真夜中に籠るとこんなことが書きたくなる。バス停とか、歩道橋とか、休日に並ぶビールの空き缶とか、君の記憶の中の僕は僕の僕ではなく君の僕だ。幼い頃の君を薄っすら覚えているよ。


自由詩 傾いた椅子 Copyright 空丸 2021-05-15 08:41:46縦
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