おちょやん
花形新次

秦基博が中学校の後輩だ
ということはさておき

自称詩人高タローの代表作
「相模大野には夢がない」で始まる自称詩集
千代子抄の主人公千代子の生涯を描いた朝ドラは
史上初めて
主人公が発狂して幕を閉じるという画期的なものになった

千代子自身も自称詩人だったが
極めて難解な作品が多く
評価も二分されている

例えば最も有名な自称詩は次のようなものだ

「塊」

マリちゃんの左肩に
重石を乗せて動けなくなさったから
倫理先生の強靭な顎の強さに耐えられると
仰ります
納得のいかない私は
学校の駐車場で倫理先生を待ち伏せする体勢で
クの字を描きながら
望遠鏡でマリちゃんを監視していると
マリちゃんの四番目のひいお父さんが
いらっしゃって
マリちゃんの左肩から重石を取ると
右肩に乗せ変えたらしいです
(憶測です)
その隙に
倫理先生は同僚の禿げドクター安楽と
フェアレディZに乗って
中央フリーウェイの右手にある
朝鮮人学校に挨拶しに行きます
夕焼けの歌はマリちゃんのためには
流れることはありませんです
やがてマリちゃんは右肩の重石と同化なさって
見事な塊になります
これが二俣川に伝わる
悲しい物語


自由詩 おちょやん Copyright 花形新次 2021-05-14 21:02:48
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