虫の生活
山人

虫はとにかく無表情で
平坦に、あるき
あしたのために飛ぶ
風が吹く日には、どこか
知らないくぼみにひそむ
考えることを
排除された虫は
あらゆるものに見向きもせず
ただ、生き
食らい、
まじわい、生む
だから、感慨は
特にない
雨がふり
葉のかげにかくれ
おし黙り
いちずな目で
前だけをみている
やがて
雨はあがり
蜘蛛の糸に
虹が反射するころ
虫は
ぴくりと羽を動かして
あたらしいひかりを
見つめている


自由詩 虫の生活 Copyright 山人 2021-04-21 05:34:15縦
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