クウォーク&ラン
アラガイs


ヘッセら何をしても見えない壁に阻まれているのだから、なのと、ひとり呟きながら果てのない自慰を繰り返しているカールゥとエリアン。 壁の隙間ではベッドに凭れ掛かり、初老のアラン夫妻がお祈りをすませ床に就こうとしていた午後 月という存在を知らない遥か遠くには、恒星に照らされたこの小さな衛星を生命の手掛かりにしようと、宙を見上げるDXな世界もあるのだ。 ヘッセら僕は歩いている。期日によれば恒星の廻りを半周した水滴の着水にモラギキの花が咲く。そのときがこのアラン夫妻の肉体は食べ頃を迎える。匂いを嗅ぐ。そのことをこの植物はちゃんと知っている。主人のサイズはMだったかしら? ゆり子はLのトランクスを拡げて頸を傾げた。バーミリオンの擦り切れた布地を腰に巻く狩人が剣を天に振りかざす。芽吹きを迎えた大地の裂け目から真っ赤に燃えた核の炎が噴き上がる。硝子戸に写り込んだヨークシャー犬の舌は涎を垂らし、ゆり子が出てくるのをじっと待機して待っている。ううんアハァントリカブト大麻 明日はもうやって来ないかも知れない。   見たこともないのに明と暗は互いに引き寄せあうのだろう。エリアンのやわらかな乳房の感触を思い出しながら自慰にふけっている。飛び散るのは眼球。屈折という輝く円球(ボウル)を手にしたエリアンの溜息は途切れることはない。苺がペパーミントに香る季節なのかしら? 観測者はブラックボックスをこじ開けようともがいている。カールゥ、月はどちらから見ても照らされているのだ。永遠のキルキル キル 鉄と銀の擦れる音に狩人が自閉する。何をしても閉ざされているのだから責任は持てない。誕生からぶら下がる今世紀の樹液。枝に吊したハンモックが戦慄いて、セラミック?細胞は時計という細長い黒針を告げる粘膜の角質。散らねば性質の循環が滞るチューブ。ゆり子は知らない 手ナズケタ犬の眼はカーボン 主はそのことにちゃんと気づいていたノダ。


自由詩 クウォーク&ラン Copyright アラガイs 2021-04-11 03:09:01
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