しへのとちゅう
atsuchan69

とちゅう、
夢があった
道端には
夢が咲いていた
そのあまい匂いの中で
女や、
またべつの女と
いくども寄り道をした
険しい道もあった
転がったオートバイと
鮮血を敷いた少年の死体
癌に侵された人、
お菓子だらけの部屋
おもちゃのピストルと刀、
昆虫採取の夏
たくさんの海の色たち
そして讃美歌。
濡れた髪のままで
ふたりシーツを皺くちゃにした
そういうことが、
ぜんぶ、
夢っだったのかもしれない
きっと、
寄り道して好かった
眼を瞑ると、
女や、
またべつの女たちがいる
やすらかな、
しへのとちゅうに


自由詩 しへのとちゅう Copyright atsuchan69 2021-04-02 10:57:56縦
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