蝙蝠と檸檬
草野大悟2

とうめいの骨の
おくのおくの ずっと おくのおく、から 
虹をかみくだくおと、が
きこえる。

(八方美人!
(恥知らず!

てんし、と
あくま、を
はらんだ夜が
鎌首をもたげるとき、
蝙蝠は
そしらぬ顔して
危うい檸檬を
置く。

……耳のいたくなる静寂


自由詩 蝙蝠と檸檬 Copyright 草野大悟2 2021-03-30 11:50:42縦
notebook Home 戻る