孤独の檻
ひだかたけし

更けゆく夜はひたすらに
孤独の深い陰影を
白けた顔して曝け出し
薄い涙がつと流れる
薄倖の人、天破り
漆黒の闇に降下する

幼い記憶の光景が
眼前に広がり来たるまで
ひたすら遡行し孤独の檻、
突き破るのみ、突き破るのみと
心の窪みに花咲かせ
異常に熱持つ魂が
花弁を内から燃やしていく








自由詩 孤独の檻 Copyright ひだかたけし 2021-03-19 19:16:30縦
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