「レ」
道草次郎

その辞書には意味が記されていない
ただ単語ばかりが延々と羅列され
一切の説明的言辞や背景や語源さえもが周到に省かれている
その辞書とは何かを
それを自然は
「世界」と位置付けている
何者も
レのトーンを引いて
レを導き出すことはできない
しかし
レはあるのだ
「世界」という辞書を埋め尽くしているものも
じつは
レの上下に無限数存在する音階の
レ的
展開に他ならないのである


自由詩 「レ」 Copyright 道草次郎 2021-03-17 20:27:00
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