やわらかい にく
虹村 凌

むずかしい詩は
よく理解できないよぅ
きみが噛みくだいて
風邪をひいたぼくに
くち移ししてくれた
かたかった肉みたいに
やわらかい詩なら
ぼくは嬉しくなってしまう

目玉からげろをはくくらいに
さいきんは忙しくて
べんじょに向かってつきだした
けつの穴のような口からは
ついつい弱音ばかりでてしまうけれど
ぼくは大丈夫だよ
うん
きこえるかい?ぼくの声が


ねぇ
すこしだけ聞いてくれないかな
ねぇ
ときどき思うんだ
ぼくの大事なともだちがしぬくらいなら
ぼくが代わりにしんでやりたいって
なにより大切なやつらだから

ぼくの国では
じさつする人たちがふえている
さっき見たねっとにゅーすのかたすみにかいてあったよ
なんでしんでしまうのだろう

しんでしまう人たちは
じぶんがりそうとしてえがいた世界と
じぶんがげんじつに見たせかいのちがいに
おし潰されているのかもしれないね
そう思うんだ

いやなら
何処まででもにげだせばいい
気がすむまで
遠くまで
にげだせばいいのに
でもぼくの国はせまいから
それすらできない人たちもいるんだよ



つめたい



みんなみんな
あいしてるよ
だからなるべく
しなないでくれよぅ
しなれたら
さみしいじゃないか

なんてのは
わがままかな


自由詩 やわらかい にく Copyright 虹村 凌 2005-04-21 03:46:45縦
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「うにいくら丼」