これは君のために書いた
Monk

脅迫です。
書いたから読め、ということです。
2回ほどありますよ。この寡黙でおしとやかでシャイな砲丸投げ選手として活
躍しているMonkさんも。こっぱずかしいですよ。誰かのために詩を書いてそれ
をその誰かにプレゼントするなんつーのは、恥ずべき行為、してはいけないこ
と10箇条のひとつだと思ってました。普段、豪快な上手投げで益荒男ぶりを
見せつける漢としては。漢ならリンスを使うな!というのと同次元の問題だと。
ちなみに海外のサイトを見てると詩はけっこう道具として使われていて、冠婚
葬祭の挨拶事例みたいに、ケース毎のラブポエム事例なんかがDownLoad Free
だったりします。これいいですね。僕もやろうかと思いました。Monkさんの贈
る「修羅場を乗り切るためのポエム」とか「気まずい沈黙を緩和させるポエム」
とか「夜明けのベッドテーブルにさりげなく置いておくポエム」とか。

それで2回なわけですが、1回目は昔つきあってた恋人に対して。これはすご
いですよ、公開できないですから。恥ずかしいというより笑うしかないような
内容なんだが、二人の関係を知らないと意味がわからないので公開しても誰も
笑わないです。つまり内輪ウケの詩です。この詩は僕のパソコンの「創作物」
フォルダに眠っています。さっき読んでみましたが、いろいろ思い出してシン
ミリして枕の隣の砲丸を涙で濡らしました。
まぁ1回目なんですが、彼女に対してはいっぱい物を書いて読んでもらった。
自分と彼女のことを書いたのはその1回きりですが、それ以外にもたくさん書
きました。というよりですね、僕はつきあい始めの頃にこんなこと言いました。
「僕とつきあうと、くだらなくて役に立たないけれど少し笑って少し幸せにな
れるようなことを毎日書いたりしゃべるよ。」うわ、このセリフのほうがこっ
ぱずかしいよ。公開できねーよ。で、毎日はさすがに無理ですがそういうくだ
らないことをたくさん書いて読んでもらったわけです。すごく具体的に書く動
機があったわけです。そのうち彼女も評価の目が厳しくなって「これ、後半手
抜きだね」とか「こういう展開、多いよね」と切り返してくるようになり、僕
もそれならそうと「これならついてこれまいっ」とよくわからない切り返しを
してました。そのころに書いたものはいろんな形でどこかに公開されてます。
そういえば一回だけ彼女が書いた物を読んだことがある。これはつきあい始め
る前だったけど、それは僕の好きな作品だった。これはうまい、いいねぇと
思った。こんなの書くコとつきあったらおもしろいなぁと思った。意外に威力
あります、ある種の人にとっては。僕も自分のことを知ってもらうためには自
分の書いた物を読んでもらうのが早いなぁと思う人です。

2回目はもうすぐ結婚する女の子のことが好きになって、当然のごとくふられ
たわけですがそれでも仲良くしてたので最後にお別れするときにMonkさんセレ
クトオリジナルJazzCDを焼いて、その曲ごとに1筆書いたものをあげました。
なんつーかキモいね。他人がやるのはかまわないけど、自分がやったことを思
い出すと恥ずかしいね。いい話のネタだよまったく。ネタにするのかよ。しま
す。
実際このときも思いついたのが前日だったので合計12作くらい徹夜で書いた
んだった。このパワーはなんだ。これが恋?わたし今、恋、してる?というか
正直に書けば自分のことを飾りたくて書いてるわけで、普段はくだらないこと
ばっかり言ってたので、どうだいこういう繊細な一面もあるんだよみたいなこ
とを示したかったわけだ。そうだ、このときはかなり綺麗な繊細な詩を書いた
んですよ。だからすごく苦痛だった。

誰かのために書くというのは、そこにパワーが発生します。動機が不純でも発
生します。不純なほうが発生するかもしれない。人と人とを結びつけるパワー
がっ。こう、海綿体に血が集まりたぎるようなパワーがっ(だいなし)
誰かのために。そして自分のために。飾るためでもいいじゃないか。努力して
るわけですよ、好かれようと思って。そんでそのために相手の好きそうなこと
を調べて想像して書くわけですよ。笑いの嗜好を掴むのって難しいんですよ。
いろんな手を打って「あーこれ反応イマイチ」とかメモですよ。傾向と対策で
すよ。お前、必死だな(藁ですよ。
なんだかありきたりなまとめに入ってますが、最後にまとめの決めゼリフで
「何が言いたいかというと」と書くことは特にないんですね。ただこれを読ん
でくれたあなたが、一瞬でも笑ったならそれが僕は嬉しい。誰かが僕の書いた
もので笑うということは非常に幸運なことだというのは、僕がどんなにひねく
れていても曲げたくない真実なのだった。だから今、ここに存在しているかも
しれない幸運に感謝。これからも幸運が起こることに期待。


あ、そういえばもう1回あった。これも恋人に宛てて書いたが恥ずかしくて読
ませられなかった。僕が君のせいでこんなに苦しい、みたいなことを書いたや
つだ。彼女には読ませなかったくせに、この作品もどこかに公開されている。
でも探しても無駄。わかんないから。繊細だから。



散文(批評随筆小説等) これは君のために書いた Copyright Monk 2005-04-21 01:11:55
notebook Home 戻る