死めくり
宣井龍人

昼も夜もない屋敷に独りの老人が住んでいる。
彼は日めくりカレンダーと唯一の会話をする。
愛くるしい動物や癒しの風景が語りかけてくる。
そんな彼が穏やかに息絶えていた。
今日見つかった時はもう腐乱していた。
彼は律儀で几帳面だ。
伏した体から伸ばした左人差し指。
その先には日めくり。
日付は今日だった。


自由詩 死めくり Copyright 宣井龍人 2021-02-09 21:53:04
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