夢の夜空
ひだかたけし

夢の夜空に星々は
巨大に不穏に輝いて
渦巻く星雲が三つ四つ
眩めく明るさに発光し
それぞれの存在を鮮やかに
闇のスクリーンに穿っている

夢の夜空はやがて刹那
一つの艶かしい発光体となり
せりあがる歓喜と恐怖とに
打ちのめされたこの私は
意識が異様な気に充たされ
透き通ってゆくのを感じている

この上ない孤独と浄福のなか
何処までも何処までも透き通って
私が私から遠く隔たっていく
その無限の距離感を
眩暈しながら傍観している
もう一人の私が居る












自由詩 夢の夜空 Copyright ひだかたけし 2021-02-01 20:53:20縦
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