吠える
二宮和樹

夢を見たての幼子の
玉のようなつぶらな目
欲を掻き立て煽るのは
めしいた悲しみ負うの者か
打ち捨てられた灯火の
雲の果てなる理想郷

おう、口角を上げ
眦を下げ
想いを約束の地で演じよう


理解を超え
砂漠を突っ切り
海原に漕ぎ出せ

やぁどうだと引っさげた火を
それぞれの魂に刻むのだ


慟哭と動乱をまぶした世界は
お前の胸の内を暴き出す

晒せ日ノ本に
晒せ

かつてない時代に
かつて演じた望みを賭けろ


口汚く穢す奴らよ
貴様にはもう何も残ってない


自由詩 吠える Copyright 二宮和樹 2021-01-28 16:53:14
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