もう一度むすぶ、その後もう一度ほどく
竜門勇気


暇を持て余すとすぐに
ポケットに手を突っ込んで
なにか探してるみたいに焦った顔をする
君ってやつは最悪の人種だ

どうしたんだ
ホコリでも集めて昼飯にするつもりか?
二人でいるときにはいつもこうなる
呪いのような言葉を探して
飢えたようにしてぶつけ合うだけの時間

最近気づいたんだ。びっくりしたよ。
あー、何が?
僕のスケートボード、盗まれてた。
まじかよ、最悪だな ビールおごるよ
元はお前の金みたいなもんだしな

なあ、なあよ
俺たちのこんがらがった関係ってのは
ぶっ壊れたラジオみたいに
静かだったりそうじゃなかったりするだろ
だから無くなんないぐらいに薄め続けなきゃだめだ

解けるぐらいに薄く
結べるぐらいに長く
厄介な音楽が続いていく
縛られた関係でいるなんてクソだろ?
だからってまったく離れているのも落ち着かねえ
なんか意味あるのか
どうでもいいか
ただ楽しくてやってるだけさ


”むすんで、ひらいて”
”てをうって、むすんで・・・”


自由詩 もう一度むすぶ、その後もう一度ほどく Copyright 竜門勇気 2021-01-28 10:45:03
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