この街と僕
番田 

この街で僕は生きているのだ。今日も寒いけれど。そして、テレビを、僕は、見ていた。僕は、そして、思い描いていた。遠くの街を。しばらくずっと、この街で、何もしていなかったのだということをお茶を飲みながら思い出していた。遠くには、この街の霧で霞んだような家並み。今は、もう存在しない、かつて僕と目のあったおじいさんの建物を、そこに思い出しながら。あまり車の通らない、日曜日の通り。そして、でも、この街に住みだしてから、短くはないのだということを思い出させられていた。


自由詩 この街と僕 Copyright 番田  2021-01-25 01:42:30
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