異世界の人
木葉 揺

初めはそんなこと知らなくて
何でも通じると思ってた

あなたが男だから
わたしは女であって
この世界のふつうと思ってたから
違う世界の人だなんて
思わなかった
違う世界も男と女があるんだ


同じ音を発してるのに
意味してることが違う
あなたにはキスは挨拶で
私には愛の確認

あなたは私を
「異世界の人」と言う
でも出会った
目的なんてなかった
二人で作ってる空間もあるでしょう?
二人の時しか生まれない空気もあるでしょう?

でも知ってる
日が浅いのに
もうズレて来てる
すれ違ってきてる
そのうち薄い壁ができて
私がドンドン鳴らすでしょう
ドンドンするたび
厚くなる壁だと知っていながら



自由詩 異世界の人 Copyright 木葉 揺 2021-01-22 23:36:18
notebook Home 戻る  過去 未来