遡行
ひだかたけし
腹底から
ヒンヤリと突き上げて来るモノを
ナイフの刃先に乗せる
熱く紅い血の滾り
)際の際に時を遡行すれば
緑と湧水の大地に到達する
沢登りの記憶の壁突き抜け
唐突にプスップスッと
緑の若芽から清い水の湧出する
遥か何処までも広がる大地に
黄金に輝く巨岩の隆起に
戻っていく、降りていく、開いていく
)蒼穹が始まる処、蒼穹が広がっていく処
)燦燦と光ふるふる記憶の原初
腹底から
ヒンヤリと突き上げて来るモノを
白銀のナイフで突き刺す
熱く紅い血の迸りと共に
炎ガ蒼穹から噴き出している
炎ガ蒼穹を赤々と染めている
自由詩
遡行
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ひだかたけし
2021-01-15 19:36:39縦