加速する米社会の狂気 
一輪車

  ハイテク大手は今や言論の自由の裁定者だ。
         ──イーロン・マスク(ステラCEO)──

  国民を暴力的に抑圧する独裁者でさえツイッターを使えるが、
  トランプ氏は使えない
      ── イラン ロウハーニー大統領 ──

フォーブスといえば高級紙(Quality paper)として有名だが、そのフォーブスがトランプの側近を再雇用しないようにと、
元報道官、現役報道官などスタッフを顔写真入で紹介し、社会的に抹殺するよう呼びかけた。
https://www.forbes.com/sites/randalllane/2021/01/07/a-truth-reckoning-why-were-holding-those-who-lied-for-trump-accountable/?sh=8ed18325710b
フォーブスの編集長によれば「民主主義を守るため」だという。
とうてい正気の沙汰とは思えない。
トランプのスタッフ一人一人には家族もおり、家庭もあるだろう。自分たちが憎悪する人物の政権で働いたからといって
かれらの人生、家族、生活を破滅させる資格など、だれにあるのか。

また全米ゴルフ協会がトランプの所持するゴルフ場では今後すべてのイベントを中止すると宣言した。
https://www.bbc.com/japanese/55628048
全米にまたがる多くの大企業、ペプシ、USスチールなど数百社が共和党への献金を中止する声明を発表。また巨大金融資本家たちが一時的にすべての政治献金中止を表明した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-11/QMR6TKT0AFB401
これらの声明や発表や記事の根拠はすべて国会議事堂での事件にもとづいている。あの混乱はすべてトランプのせいだというものだが......
日本から単身米選挙を取材にいった一無名女性────わたしがしばしば動画をとりあげている我那覇真子さんが、その陰謀とカラクリを見事に暴いている。
米国のマイナーテレビ局のインタビューに答えたものですが、字幕機能があるので英語から日本語にすればある程度は理解できます。
https://www.youtube.com/watch?v=5nvqvvsqJ_s
写真と動画、CNNの報道などを資料に、明晰に事(コト)の実(ジツ)を解き明かしている。
資金も体力もない女性が命がけで現地を取材してyutubeで発信している内容は日本のどのメディアよりも優れている。
しかし、これもまた証拠としては米国のどの主要メディアも(もちろん、NHKも朝日も毎日も共同通信も)
いまのところ無視している。日本の自称リベラルたちは幽鬼のように立ち上がるアメリカの狂気を歓迎しているようだが
(「行き過ぎた正しさは必要」 内田樹を中心とする俗流リベラル、すなわちNHK、朝日、毎日、共同通信系自称リベラル言論人の合言葉))
しかし、いまや全世界の首脳が、米国のこのような度外れた動きを厳しく批判していることを日本人は知らない。
https://www.youtube.com/watch?v=N1G5TWagqLQ

常識で考えても今の米国は完全に狂っている。
議事堂の犯罪がトランプ支援者によるものでないことは、冷静にみれば明らかだ。
たとえばニューヨークタイムスが特集を組んで、トランプ支持者がどのように国会議事堂に
侵入したかを動画と写真と図を使ってネット上に公開している。
しかし、ニューヨークタイムズのスタッフたちが、いくら頭が良くても、正気を失った脳みそは
小学生なみの推理力すら奪ってしまう好例だ。陳腐で失笑ものの記事になってしまっている。
https://www.nytimes.com/interactive/2021/01/12/us/capitol-mob-timeline.html?smid=tw-share

このニューヨーク・タイムズの記事は、ものものしい体裁をとっているものの、中味はゼロである。
この記事を要約すると、ただ一つの妄想しか語っていない。曰く。

    "トランプ支持者が議事堂に乱入して乱暴を働いた”

しかし、議事堂乱入者が「トランプ支持者」であるという証拠はどこにもない。さきほどの我那覇真子さんの具体的な論証に比べれば
稚児に等しい、証拠のない思いつきと、その決めつけである。
まず、
1.トランプが集会を開いたのは国家議事堂前ではなくホワイトハウス前広場である。
2.ホワイトハウス前広場から国会議事堂前までは直線距離にして5キロ以上あり、急いで歩いても
30分はかかる。これは実際に歩いた人の話である。
ニューヨークタイムズが示した動画をみても、トランプ支持者の移動の様子をみれば
デモというより穏やかな行進であり、これではどうみてもホワイトハウスから議事堂まで50分はかかるだろう。
いや、
3.そもそも議事堂乱入事件が起きたのはトランプの演説が終わった直後であるから、そこからどうして
5キロ離れた議事堂にワープできるのか。笑
ニューヨークタイムズによれば、もともと国会議事堂前にトランプ支持者の過激派がいたのだという。
それなら、ホワイトハウス前のトランプ集会は事件とは何の関係もない。笑 
もともと国会議事堂前に暴徒がいたのは事実だが、なら、なぜホワイトハウスの集会が出てくるのだ。あほらしい。
しかも、国会議事堂前にいた暴徒がトランプ支持者の過激派だという推測も、あくまでも証拠のない推測であり
何の証拠もない。それどころか、我那覇真子さんのような一般女性ですら、写真や動画を分析して
ニューヨークタイムズなどの推測が間違っていることを指摘している。
米メディアはこの程度の証拠のない妄想でトランプ大統領から発言の場を奪い、私的な経済活動まで脅かしている。
それにしても全米の知識人のなかにこんな狂気を批判する人が一人もいないのはどういうことだろう。あの"卵の側に立つ"といった村上春樹は
強大な力をもつGAFAや巨大金融機関や報道組織が「卵」で、トランプが「壁」だとおもっているのだろうか。
全米の知識人でこの問題に言及している者の声を聴いたことがない。ノーム・チョムスキーはもう92歳だから
米社会の惨状を批判する元気もないだろうが、若手思想家、評論家、作家たちはどうしているのだろう?
もちろん、いまのような米国社会で一言でもトランプを擁護するような発言をすれば言論界、文芸界から
一瞬にして抹殺されてしまうだろう。生活も生命も奪われるだろう。
そのような今の米国のあり方がもはや狂っているとしかいいようがないのだ。そのような暗黒を民主主義の名のもとに擁護歓迎しているのが
ほかならぬ自称リベラルなのだからあきれかえる。

世界中の民主問題、チベット、ウィグル、香港、アフガン、中東などの少数民族問題に米大統領としてはじめて手をつけて
大国の圧政を非難してきたのはトランプその人である。
とくにウィグル人弾圧をつづける中国へのトランプの懲罰は世界の巨大企業にとって痛手だった。多くの海外生産業者が廉価な労働力として
むかしの黒人奴隷のように中国のウィグル人を使いつづけているからだ。
このような卑劣で姑息で非人間的なシステムに目をつむる日米の自称意識高い系リベラルこそ民主主義の敵だろう。
日本の愚かな文壇、詩壇の意識高い系リベラルたちも同罪である。

これら一連の狂気が目指しているものはなんであるかといえば国民国家の否定であるとおもわれる。
世界最大の軍事力をもつ米国大統領を無国籍巨大企業が無力化したこの事実が示していることは、
今後、どのように巨大な国家の、国民の代表であろうとおれたち資本家に逆らえばこうなるという恫喝である。
その恫喝を批判するどころか、むしろ歓迎する日本の意識高い系リベラルたち。
さて
今年一年の終わりに世界がどうなっているか、想像するだにそら恐ろしい。








散文(批評随筆小説等) 加速する米社会の狂気  Copyright 一輪車 2021-01-14 05:16:18
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