低レベルな日本のリベラル
一輪車

「自分たちが道、真実、そして光を見いだしているような気がした」
(スコット・ギャロウェイ著『the four GAFA - 四騎士が創り変えた世界』)

たいへんな言論統制の嵐が吹き荒れている。
情報産業を独占しているビッグテック6社(google、Twitter、amazon、facebook、apple、Instagram)が
一致して一方向への政治的言論統制をはじめた。

●トランプ大統領のTwitter、facebookアカウントが永久凍結
●トランプの家族、トランプ支持表明の一部共和党議員、トランプ弁護士のTwitter、facebookアカウンが同じく凍結
●google傘下のyoutubeもトランプ大統領の投稿を禁止へ
●同じくYouTubeが「大統領選不正指摘の動画」投稿チャンネルを停止へ
●Facebook「大統領選挙不正を語る投稿をすべて削除」方針を発表(11日)
●オンライン決済のStripeからも追い出されたトランプは支持者からの寄付金受け取り不可に
●.......etc
偏向を嫌う動画投稿サイトperlerが潰されたことはすでに投稿しましたが、枚挙にいとまがないほど、情報産業による情報統制の嵐が吹き荒れている。
昨夜12日、トランプ大統領がテキサスから世界に向けて演説を行ったが、米国のテレビ局で放映したのは
マイナーなネットテレビ局一社だった。CNNもニューヨークタイムスもFOXもまったくの無視であり
トランプを選んだ7000万人の有権者は存在を消されたも同然であった。

さてこの事態に対して日本以外の世界各国では批判が湧き起こっている。
●アメリカ自由人権協会(ACLU)はGAFAが「無制限の権力」を行使していると警告。
●ポーランドがIT企業に対する規制を検討「言論の自由は民主主義の本質」
(投稿の削除等の判断は司法当局にゆだねられ、法律に違反したソーシャルメディア企業には高額な罰金が科される)
●ブラジルではGAFAの言論弾圧に反発して国民がTwitterなどのアイコンをトランプに差し替える動きが広がっている
●300年間、いっさいの政治的発言を禁止して中立を守ってきたアーミッシュの人たちが
GAFAの言論弾圧に怒り、トランプ支持を表明してロバや馬車にのって抗議活動を始める......これは微笑ましいニュースです。笑

もちろんドイツ、イギリス、フランスなどの首脳が今回のGAFAの動きに懸念や遺憾の意を表明しているのはいうまでもありません。
そんな中、米世論大手調査会社「ラスムセン・レポート」によると、6日の議会乱入事件の後、
トランプ大統領の支持率が48%に上昇、多くの国民がいまだトランプ大統領を支持していることが分かったと報告した。
ラスムセンの分析によると、国民の多くがビッグテックの横暴に嫌気がさしているゆえだとか。だれがみてもこれは
トランプ支持、不支持に関係なく民主主義の破壊です。
GAFAは一見、表向きはリベラルを装っていますが、異論をいっさい許さない姿勢が今の日米意識高い系リベラルの性質と似ています。
日本のリベラルの間では活発な議論など存在しません。答えが決まった話題を互いになぞり合い、
互いに同じ"宗教"を信じていることを確かめあうしかできない。それが今のリベラルです。
それに引き換え、日本の保守も愚劣とはいえ、わたしの見るところ、あらゆるレベルで活発な争論が交わされています。
批判もあるし異論もある。それらちょっとした角度や層の違いを互いにもちあって討論するから
ケンカもあるけど、おもしろいし、非常に勉強になるし、新しい世界が開ける。
ところが残念なことにこの日本国のリベラルってのはもう、腐って落ちた柿が踏まれてぐじゅぐじゅになっているような
惨めな姿しかみせていない。
これだけ世界中がGAFAの横暴に批判的なのに、なんと、スターリン主義的な厳罰主義をいまだに吹聴しているバカばかりです。

  この世の不条理への抗議を「行き過ぎた正しさ」と呼ぶ行為が
  君の美しい翼を毟り取ろうとする。不正ばかりの世の中では正
  しすぎることが多くを生み出す。常識があるから常識を越えら
  れる。感受性を疑え。衝動と向き合え。己のバカを見直せ。理
  性で考えて動くんだ。視野を広げ、柔軟に、一歩ずついこう。

これはいわゆるリベラルの大元締めであるごとく振る舞っている内田樹らの仲間、自称映画評論家
町山智浩がリツィートしていることばです。
おそらくGAFAの統制を「行き過ぎた正しさ」と批判する多くの人たちに
反発したことばだろうと思われる。
だが、
GAFAの蛮行は「行き過ぎた正しさ」どころか「行き過ぎた悪行」である。
スターリン主義そのものである。
そこらにいる一介の庶民の自己中心主義じゃない。日本の国家予算を越える資金をもつ巨大企業の
自己中による身勝手な弾圧だ。それを容認することでしか
町山のような何の能力もない自称映画評論家は米国で生きていけないのはわかる。
だが、
なんなのだ、この「正しすぎることはいいことだっ」て論調は。笑
スターリンの亡霊が現れたみたいでぞっとするよ。
またぞろだれかれなくかれらの思想に従わない者たちを精神異常者と決めつけてソルジェニーツィンの"煉獄"へ送りそうでおぞましい。
こういった日本の俗流リベラルの愚かな姿は世界の民主主義を求める声から完全にずり落ちている。
そのことがわかっていないことがこれまた哀れとしかいいようがない。





散文(批評随筆小説等) 低レベルな日本のリベラル Copyright 一輪車 2021-01-13 11:04:14
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