遠吠え歌
月夜乃海花

酩酊に 溺れて独り 零れ落ち 三歩泣いてた 宵の口

鳳仙花 君が好きだった 花を摘み それを見て泣く 君の目を

思い出し 独りでずっと 溺れつつ 淡い花の 記憶を消して

愛してる それすら言えずに 空を眺め 阿呆と鴉が 笑い出す

じっと睨み 鴉に吠えて 狼は ただ空に 歌うのです

不可能な 死に遠吠えて 哭いた日は ぼーっと虚ろに 蜃気楼

愛してた もしそれだけを 言えたなら きっと来世は まだマシさ

独り言 ただ言いながら 少しだけ 目から溢れる 雨霰


短歌 遠吠え歌 Copyright 月夜乃海花 2020-11-27 06:15:09
notebook Home 戻る  過去 未来