夏をしまえば
そらの珊瑚

麻の半袖ワンピースを
さっぱりと洗い
捨てる時を伸ばし伸ばしにしていた
サンダルに永遠の別れを一方的に告げる

風鈴は日曜日の新聞紙でくるみ
青いペディキュアを消す

扇風機の薄い羽根に
ふりつもった塵芥を洗いおとして

どうやら間に合ったらしい

本当の風の匂いをかぐ
冬がやってくるほんの少し前の




自由詩 夏をしまえば Copyright そらの珊瑚 2020-11-26 13:55:41
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