百年の約束
おろはげめがね

星の光さえ霞む様な長い時間の中で

一瞬だけ約束を交わした

私は生きるこだま

私の吐く言葉で

街が光り

慟哭が止み

人々は色めいて

大地は舞う

生の喜び

愛の恵み

そして、世界の秘密を知る

水辺の鳥が羽ばたいた音で踊る妖精たち

この夜の隅から隅まで深い緑色の黒で染める

なんて素敵な景色!

なんて素敵な音楽!

なんて素敵な人!

廻る廻る旋律は一本の糸よりも優雅で

重なる重なる思いは燦々と輝くあの日の私たちの様だ

帰ってきた

この土地に

たくさんのお土産を持って


また旅立つ前のひと時

世界中の話を

おまえに

聞かせてあげよう


嗚呼、嗚呼、嗚呼


光が

溢れて

いる

溢れて

いく

零れて

いく

この世界は美しい

鮮やかな赤と

澄んだ空の青と

照り映える橙の

交わる

点で

ニッコリと笑う

あれは

遠く

遠くから

流れ着いた

もの

私の

袂から

落ちた





抱いて

また

ニッコリと

笑っている


嗚呼、生きていて良かった


自由詩 百年の約束 Copyright おろはげめがね 2020-11-19 22:38:26
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