life for a reason
服部 剛

僕の存在理由は nothing
君の存在理由も nothing

そう思っていた
僕の頭の空洞に 風は吹き 
風は滝のように体内の通路を下り
魂の器の底に渦巻けば
遠い記憶は……甦る 

今日出逢う
君の瞳は僕の鏡
小さな星を
互いの瞳に映している 

薄っすら体の透けていた
僕という存在は取り戻され
魂の器にほのおは、揺らめき 
ゆっくりと目は開く
脳内は、この手に、できることを
目の前の場面から検索する 

燃焼セヨ――〝いのち〟

燃焼セヨ――頭脳 燃焼セヨ――思考 燃焼セヨ――胴体 
燃焼セヨ――両手 燃焼セヨ――両足 燃焼セヨ――性器
燃焼セヨ――僕  燃焼セヨ――君  燃焼セヨ――世界

燃焼セヨ――〝夢〟

血の巡る脳内に浮かぶ……白い文字 
「life for a reason」

エネルギーの風が体内を巡る 
時を燃やし 時を忘れて 僕は
緩やかに加速する、今を往く





 






自由詩 life for a reason Copyright 服部 剛 2020-11-19 19:21:34
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