太陽が地の果てから昇る
トビラ

ほしかった果実や花
手にした人を見ては
ほしがって、苦しんで
理想郷は遠く、悪態をつく間もなく
暇もなく隙きもなく埋めた感情
苦しみは、声にできない叫び上げて
誰にも知られないよう焼けただれて
出社しては笑顔であいさつする、朝
無価値さに耐えて
無意味さに疲れて
泣くことすら忘れて
笑う

打ちのめされた日々のはてに気づいた自分は
理想郷にはほど遠く
けど
理想を体現しはじめてきて
埋めた感情の芽吹きを感じて
終わってたと思ってたものは
はじまってもいなくて
これからの自分に希望を感じる
周りを見れば
手にしていた果実を食べ尽くして
花はしおれて枯れて
途方に暮れてる人たちの群れ
これからまた花をつけて実を結ぶのは可能なのかな
そう思ってもできることもなく
うなだれた人たちは動けずにうめいてる
自分をふりかえって
自分の中に埋めた感情の拍動を聞いては
まだ行ける
ふと見ると、他にも歩き続けている人たちはいて
燃やしつくしていない未来に
燃やしつくせない想いぶつけてる
ああ、そうか、これでよかったんだ

うなだれながら転がる人たち
灯火をたやさずに歩き続ける人たち
今だけでは測れない明暗が
誰にもあって
うなだれている人たちもまた立ち上がる日が来るのだろうか
灯火をたやすことはあるのだろうか
わからない
わからないままに歩き続けて

太陽が地の果てから昇る


自由詩 太陽が地の果てから昇る Copyright トビラ 2020-11-19 06:32:36
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