凍歌
おろはげめがね

僅かに晴れた朝に

太陽が死んでから

街では優しさが忘れられた
 
祈りの声は消えて

黒い虹のような桟橋から

ぼろぼろと人々が零れていく

風たちの呟きは絶えて

今日も空という空を見ない

やがて聖者や天使たちは

悲しみのうちにこの地を去るだろう

それでも激しい雨のなか

立ち尽くす君がいる

命は燃え続ける


この嵐を終わらせるために

私は私を閉じてしまいたい


自由詩 凍歌 Copyright おろはげめがね 2020-11-16 00:50:19
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