米大統領を決めるのはだれか?
一輪車

わたしたちは実は何も知らない。
米大統領を決めるのは米国民の有権者だと錯覚しているが、法的にはそうではない。
米大統領を選ぶのは「選挙人」と呼ばれる人たちである。
では「選挙人」を選ぶ権限、権利、資格があるのはだれか? 
全米の選挙をみているとそれは全米の有権者であると錯覚しがちだがじつはそうではなく、憲法によって定まっている。

      〈合州国憲法第二章第一条3項〉

 それぞれの州は、その立法部が定める方法により、
 その州から連邦議会に選出することのできる上院議員
 および下院議員の総数と同数の選挙人を任命する。

わたしたちの常識とは違って、じつは、大統領を直接選ぶ「選挙人」を決める権限のあるのは各州の議会なのです。
「選挙人」を選ぶのは一般有権者でも選挙委員会でも州知事や州務長官でも裁判所でもなく、州議会! なんです。
この事実をわたしたちは知らない。
では、なんのために全米で大統領選挙が行われるかというとそれはあくまでも州議会に対して「参考資料」を提供するためなのですね。
とはいえ、慣例としてこの「参考資料」に異議をはさむ州議会はなかったからこれまでは全米の投票結果がそのまま大統領を選ぶ「選挙人」の選出につながってきた。
だが、現職大統領が敗北を認めなければそうはいかない。そうするとどうなるか?

 開票作業の期限は12月08日
 選挙人集会は  12月14日

この日までに選挙人が決定できなければ各州の議会が選挙人を選ぶことになる。前代未聞だが、そうなる可能性がでてきた。
もしこのようになると各州で共和党が多数を占めるトランプが有利であることはいうまでもない。

しかし、州議会でも決まらない場合はどうなるか? あるいは民主党系の州議会が議決を拒否した場合はどうなるか。
その場合は下院議員が投票して決めることになっている。ただし、この場合は下院議員全員ではなく各州の下院議員一人にひとつの選挙権が与えられるのだ。
するとどうなるか。各州単位ならばこれも共和党が優勢なのですね。
トランプは大統領選のずっと前の9月26日の演説会でこんなことをいっている。

  私は本当は最高裁で決着をつけたくはない。最高裁で決着をつけるより、
下院の投票がふさわしい。下院で共和党が26票持っているから、我々が有利だ。

いまのようなデタラメな不正選挙が必ずあることをトランプは見抜いてあらゆる手を打っていた可能性がある。
米国の大統領選挙を誤解している人が多すぎるので事実を記した。







散文(批評随筆小説等) 米大統領を決めるのはだれか? Copyright 一輪車 2020-11-11 07:26:13
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