夜半めざめて
道草次郎


時々、
頭の中のどこかを
交換してもらいたくなる
人格などいらない
フォーマットされていい

ぼくはあんまり、惨めだ、
吐瀉物に
綺麗な薔薇が咲きそうだ
自分由来の
不幸ばかりが列んで
睥睨している
けれど
他人の不幸なんて
あるかしら
いったいどこにそれは?

ぼくは半分になろう
半分目を閉じ
半分耳を塞ぎ
半人前で
それだけのものとして
すごすんだ

しかしあんまり つらい
脳は立錐の余地がないほど
滅んだ詩群で満ちた

もうだめかとも
そうでもないかとも
心をカラにして、
流入に任せるしかないと そう思う

秋の花の名前をぜんぶ失くした
胃がキリキリする
しきりに出る胃酸で
人生の大半は溶けてしまったような
そんな気もする

くるしい
ままならないし
詩も
みにくくいやしい、、

深呼吸をして
安定剤を
服す


自由詩 夜半めざめて Copyright 道草次郎 2020-10-09 01:01:22
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