三河高原
Giovanni

炎は薪から放たれた
銀色の薪台と
明々したランタンと
椅子に寄る僕を
確かに捕らえたのだ

星明かりの下
ただただ
炎が爆ぜるのが
天頂に突き落とされる
太古の爆風に思えた
舞い散る炎が
グングニルのように
青白い星霜を
一息に貫いた気がした
そして
僕の命も 束の間
激しく爆ぜた気がした

でも
いつしか 熾は
焚き火台の中で
暗く白く縮んでしまった

虫の声に満ちた
秋の三河高原で
一人コーヒーを啜るけれど
いつまでもいつまでも
暖かくはならない










自由詩 三河高原 Copyright Giovanni 2020-10-02 20:32:33
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