半沢直樹
花形新次

テレビで
半沢直樹は1992年入社となっている
(小説では1988年だった)
バブル崩壊の年だ
この年まで就職は
売り手市場だった

私はその前年1991年に社会人になったので
ほぼ同じ世代と言っていい
私はある家電メーカーに
技術者として就職したが
同期は理系だけで200人いた
就職活動は全くしていない
大学の求人にエントリーして
それで終わりだ
だからバブル崩壊後
死ぬ思いで働き口を見つけた人達の苦労は
正直言ってよく分からない

数年前から
どの企業でも
私と同世代の人間の扱いが
厄介だと言われている
大したことない奴等が
大量に存在して
邪魔でしょうがないというのだ
かと言って
それに代わる人間がいない
後続の世代がすっぽり抜けているのだ

私自身大したことない奴等に含まれる
(でなきゃ、こんなこと書いてやしないだろ)

私は日本人に生まれたことを
誇りに思っているが
この世代に生まれたことについては
正直どうかと思う

冷静に見ると
半沢直樹は
半沢直樹がいることで
問題が起きていることに気付く
私の世代は
全くやる気がないか
やる気に満ちていても
変なところに力が入っている
どちらにしても
取り扱いが厄介な世代と言える

バブルというのは
人間の精神までも
うたかたにしてしまう

私自身も
正にうたかた人生なのだ




自由詩 半沢直樹 Copyright 花形新次 2020-09-26 13:53:10
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